国土交通省は25年度の一般会計(7兆330億円)のうち、脱炭素化施策の強化として
1263億円(前年比1.19倍)を計上したというニュースがありました。
私たちの住まいの脱炭素化とは一体何を指すのでしょうか!
なぜ、住宅が脱炭素化を推進しているのか?
地球温暖化による気候変動が深刻化し、国際的に温暖化対策が急務となっています。
日本も「2030年度までに温室効果ガス排出量を46%削減」、「2050年までにカーボンニュートラルを達成」といった目標を掲げています。
家庭部門のエネルギー消費、特に住宅の省エネ化は、二酸化炭素排出削減の大きな鍵を握っています。
住宅は、建設から使用、解体・処分までの全過程で多くのエネルギーを消費し、温室効果ガスを排出します。そのため、住宅の断熱性能を向上させ、太陽光発電など再生可能エネルギーを導入することで、エネルギー消費を抑える「脱炭素化住宅」が必要とされています。
ZEHや低炭素住宅の意義
「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」や「低炭素住宅」とは、エネルギー消費を最小限に抑え、太陽光などの再生可能エネルギーを利用してエネルギー収支をゼロにすることを目指した住宅です。これにより、二酸化炭素の排出を削減し、脱炭素社会に貢献します。
ZEH普及の目的は、次のような利点が挙げられます。
エネルギー消費の大幅削減:高断熱化とエネルギー効率の向上により、冷暖房や給湯などのエネルギー消費を抑えます。
再生可能エネルギーの利用:太陽光発電などで、必要なエネルギーを自家発電し、化石燃料に依存しない生活を実現します。
住環境の向上:温度管理がしやすく、快適で健康的な住まいを提供します。
なぜ住宅の脱炭素化が進まないのか?
事業者側の課題:
ZEH住宅は通常の住宅よりコストがかかるため、顧客の予算に合わないことがあります。
住宅事業者の省エネに対する知識不足や、ZEH導入に必要なリソースが不足しているため、十分に普及していません。
住宅取得者側の課題:
高断熱やZEH住宅は建設費が上がるため、住宅購入者にとっては経済的負担が大きいと感じられることがあります。
また、省エネ住宅のメリット(健康、光熱費削減など)が十分に理解されていないことも、導入が進まない原因の一つです。
脱炭素化を進めるために必要なこと
住宅の脱炭素化を進めるためには、次のような対策が重要です。
省エネ基準の強化と義務化: 現在、省エネ基準は「努力目標」として設定されていますが、これを義務化し、さらに基準を引き上げる必要があります。
省エネ住宅のメリットの啓発: 省エネ住宅は、光熱費の削減に加え、健康的な住環境を提供する効果があり、これらのメリットを消費者に伝えることが重要です。
まとめ
住宅の脱炭素化は、地球温暖化対策の重要な一環です。ZEHや低炭素住宅の普及によって、エネルギー消費を削減し、持続可能な社会の実現に向けて進むことが求められています。
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